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読書記録 最後にかけられる謎

タイトル:パイの物語
著者:ヤン・マーテル

感想:

パイの物語

ヤン マーテル / 竹書房





またまた、どえらい小説を読んでしまった。

まず、設定がもうたまらない訳ですよ。


1977年7月2日。インドのマドラスからカナダのモントリオールへと出航した日本の貨物船ツシマ丸は太平洋上で嵐に巻き込まれ、あえなく沈没した。たった一艘しかない救命ボートに乗り助かったのは、動物たちをつれカナダへ移住する途中だったインドの動物園経営者の息子パイ・パテル16歳。ほかには後足を骨折したシマウマ、オラウータン、ハイエナ、そしてこの世で最も美しく危険な獣ベンガルトラのリチャード・パーカーが一緒だった。広大な海洋にぽつりと浮かぶ命の舟。残されたのはわずかな非常食と水。こうして1人と4頭の凄絶なサバイバル漂流が始まった…。生き残るのは誰か?そして待つ衝撃のラストシーン!!文学史上類を見ない出色の冒険小説。


ね、ここだけ読んでも、すっごく面白そうでしょ?(笑)
うちの妹も「この設定にヤラれた!」と悔しがってました。

前半は、主人公の宗教観について、長々と語られます。
ちょっと退屈かも。

で、船が難破するところから、胃がキリキリするような冒険が始まります。

もちろん、最強はリチャード・パーカーなわけ。
でもパイだって生き残らなくちゃならない。
海の下はサメの群れ。

ここでパイの、動物園経営者の息子としての知識が生きてきます。

「やったあ!」と喝采を挙げたり、「うわ!」と目を背けたくなったり、
文字通り手に汗握る展開です。

パイが漂流途中に小説を切望する気持ちは分かるなぁ(笑)
読むものなかったら気が狂いそう。
視界の端にリチャード・パーカーがいる状況では、
本を読むどころではありませんが。

・・・が、最後の最後に、読者は大きな謎をかけられます。
この謎・・・・私は無理に解きたくは有りませんでした。

パイは立派に、リチャード・パーカーと対峙した、そう信じたい。
そうでなかったら、後味が悪いです・・・・。

とにかく、この設定に「ううむ」と思った方には、読む価値あると思います。
by sprewell8_daisuki | 2009-03-05 15:53 |

母子家庭でバカ騒ぎしてる毎日です。

by sprewell8_daisuki