読書記録 ホロー荘の殺人

タイトル:ホロー荘の殺人
著者:アガサ・クリスティー

感想:

この話の登場人物は素晴らしいです。
ミステリというよりは、どちらかというと愛憎劇です。

医者の夫ジョンを崇拝し身も心も捧げるガータ、
そのジョンの愛人で聡明な彫刻家のヘンリエッタ、
名家の出ながら一人で働き身を立てているミッジ、
そして、天真爛漫なホロー荘の女主人ルーシー、
と、なかなか現実にも居そうな、個性豊な女性が揃います。

男性陣は、
ホロー荘の主人のヘンリー・アンカテル卿、
ヘンリエッタと浮気しながら難病の研究に身を捧げている医者のジョン、
幼馴染のヘンリエッタをずっと思い続けているエドワード、
シニカルで斜に構えてる中二病のデイビッド、
と・・・まあこんな感じ。

ホロー荘に上記の一同が集まり、休日を過ごそうとします。
偶然、隣の家に来ていたポアロが招かれて出かけると、
プールサイドにはジョンの死体が・・・その隣にはピストルを手にしたガータが・・・・。

なんと言っても、ヘンリエッタという女性が魅力的です。
ジョンと浮気を続けながらも、ガータを気遣うヘンリエッタ。
一瞬でも理想の線や面を見つけたら、
どんな努力をしても作品に残そうという芸術に対する姿勢。

一方、ガータは愚直なまでに夫に尽くす妻であり、
ジョンはガータを退屈に思っています。
ガータもそれを感じて、居心地の悪い思いを常にしています。

ジョンは快活で博識で、仕事に打ち込む男であり、
難病に苦しむおばあさんを励ましながら一緒に治療に当たります。
誰から見ても、魅力的な大人の男性です。

エドワードは心優しい穏やかなお金持ちのボンボンで、
小さい頃からヘンリエッタに恋していてプロポーズして振られています。
ジョンと並ぶと、エドワードはかすんでしまう・・・。

そんなエドワードをこれまた子供の頃から好きだったミッジ。
彼女は同じ一族なのに、父親を早くに亡くして自立を余儀なくされ、
ブティックの店員として忙しくこき使われ辛い日々を送っています。

ジョンが殺害された事で、彼らの心情が交差していきます。
犯人と目されているガータをかばうヘンリエッタ、
ジョンが死んで勝ち目が出てきたと思うエドワード、
ホロー荘での楽しい日々を終えて現実へ戻るミッジ・・・・。

最後は、ちょっと悲しいけれど、納得のいく終わり方です。
ポワロは陰薄いですよ。
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by sprewell8_daisuki | 2008-09-09 15:01 | | Trackback | Comments(0)

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