2011年 05月 29日
藤沢周平が好きだ
藤沢周平が良いですね。
映画になった「たそがれ清兵衛」や
「武士の一分(の収録されている隠し剣シリーズ)」も良いんですが、
短編集はすぐ終わって寂しいし、ちょっと物足りなく感じます。
用心棒シリーズや「よろずや平四郎活人剣」が良いです。
「三屋清左衛門残日録」も良いですね。
長編は、主人公だけでなく、脇役も深みを感じさせるので、
登場人物に愛着が湧いて読み応えがあります。
用心棒シリーズの細谷や口入屋吉蔵とのやり取り、
平四郎だったら、早苗や平四郎の兄と兄嫁なんか良い味だしてます。
三屋清左衛門だと、息子の嫁の里江や、平松与五郎なんか良いですね。
三屋清左衛門の話で好きなのは「梅咲くころ」。
清左衛門が安西佐太夫命を助けてもらい、彼に松江がぴったりだと思って
「嫁にもらわんと、江戸へ帰ってしまうぞ」と熱心に言うシーンです。
なんか良いおやじだよなあ、清左衛門って。
でも、藤沢周平の表現で私が特に大好きなのは、
「若者が成長して大人へとなっていく過程で、ふと
『もう自分は子供ではない、子供ではもういられない』と実感する瞬間」
の描き方だと思うんです。
そう言った意味で、「蝉しぐれ」と「獄医立花登手控え」は秀逸な作品だと思います。
by sprewell8_daisuki
| 2011-05-29 15:32
| 本